2014年8月6日水曜日

杉浦醫院四方山話―356 『水腫張満茶碗のかけら』

 日本住血吸虫症=地方病が、原因不明の奇病とされ恐れられていた長い間、この病は、罹った人の特徴から「腹っぱり」とか「水腫張満」と呼ばれていました。この病に罹ると茶碗のかけら同じで、使い物にならい廃人になって亡くなっていくしかないという悲しいたとえが甲府盆地ではささやかれていました。


 

  山梨放送=YBSが作成した『YBSラジオスペシャル 水腫張満茶碗のかけら~地方病100年の闘い』が、第10回日本放送文化賞関東甲信越地区代表に選ばれ、9月に行われる中央審査会に出品されることになったと云うニュースが届きました。

この作品は、2014年日本民間放送連盟の関東甲信越地区大会の報道番組部門でも1位を獲得していますから、ダブル受賞の栄誉に輝いたわけで、両全国大会での受賞も大いに期待したいと思います。


 この作品を手がけたYBSラジオの石川治氏は、立派な体型の方ですが何度か当館にも足を運び、周到な構想と緻密な取材が印象的なデュレクターでした。その上、大変丁重な紳士で、先に決まった2014年日本民間放送連盟での1位受賞時もわざわざ東京から電話でお礼と報告をいただき、今回もメールで『昨日東京で「日本放送文化大賞」の審査会が行われまして「水腫脹満茶碗のかけら」が地区代表に選ばれました。ありがとうございます。報告とお礼が遅くなり申し訳ありません。 先日の「連盟賞」とはまた別の賞で秋に全国審査が行われます。結果が分かり次第、また連絡申し上げます。 』とご丁寧な報告をいただきました。

やはり、こういった姿勢が作品に反映されるのが「仕事」の怖いところでしょう。石川氏の脚で稼ぐ取材が今回のダブル受賞の評価となったことは、労が報われた意味でも本当におめでたく、協力できたことを共に喜びたいと思います。

 

 間違いなく私より若い世代の社会人ですが、石川氏の在り様は、私のこれまでの来し方をあぶり出さずにはおられない実存で、山日新聞の清水記者、朝日新聞の谷口記者同様、山梨のジャーナリストから大いに学ばせていただいている以上、「万(よろづ)のこと、きしかたゆくすゑ思ひ続け給(たま)ふに、悲しきこと、いとさまざまなり」などと斜に構えず、しっかり来し方を顧みて、行く末に活かしていきたいと素直に思う今日この頃です。


 当343話『山梨放送開局60周年記念番組』 のDVD観賞と合わせて、この「水腫脹満茶碗のかけら」のCDを聴く会を涼しくなったら企画したいと思います。山梨放送が60周年の節目に地元の歴史に光を当て、当館もその一助になった番組を観て、聴いて、感想を出し合う会もあながち意味のないことではないと押し出せる作品であることがうれしい限りです。


 尚、山梨放送開局60周年記念番組のDVDは、過日当館で行われた昭和町社会教育委員の会議で、フルオープン後の業務報告で触れましたら、録画しておいた小池副議長が、さっそく寄贈くださいました。見学の折に観賞できますから見逃した方はどうぞ来館ください。