2014年2月19日水曜日

 杉浦醫院四方山話―315 『観測史上初の大雪-2』

 「第二の故郷・山梨にとっては哀しいばかりだ」と結んでいるジャーナリスト・上杉隆氏の『なぜNHKは山梨の大雪災害を報じないのか?』は、NHK職員を履歴に記載して、一悶着あった上杉氏の指摘ですが、傾聴に値します。

 上杉氏は、都留文科大学卒業ですので、「第二の故郷」と云うことなのでしょうが、取材現場で殉職した同窓の山本美香さんと同列の「ジャーナリスト」には個人的には?で、「自称」が必要と思う言動も多いのですが・・・

 ソチ・オリンピックは、マスコミの大騒ぎに反して「結果はどうもなー」が実感なのに、このまま東京オリンピックへと日本中「オリンピック漬け」状態になることへの警鐘としても貴重かと、ヤフーニュース(2/16)から転載させていただきます。

 

    『なぜNHKは山梨の大雪災害を報じないのか?』

 

 14日から振り続いた雪は、山梨などの甲信越地方を「陸の孤島」にしている。

  国道20号線、中央自動車道、中央本線などの「甲州の大動脈」も、いまだ復旧の見通しの立たないまま、3日目の夜を迎えようとしている。

「県内だけでも、家に帰れず、車の中で過ごしている人々が数百人にのぼるのではないかとみている。凍死や一酸化炭素中毒など死の危険に直面している人も少なくないはず。政府は本当に対応を急いでほしい」(県庁職員)

  ネットの世界では、安倍官邸の反応が鈍いとし、テレビ局も山梨の悲劇を「ぜんぜん報じていない」と大騒ぎである。

  実際、今回の場合、その指摘は正しい部分が少なくない。

  その最大の理由は、ソチ・オリンピックにある。

  日本の場合、オリンピックの放映権は、数年前からNHKと民放で構成される「JC」(ジャパンコンソーシアム)で決定し、電通を中心として広告出稿などのスポンサー割当までをも振り決めていく。

  年々高騰する膨大な放映権料は、テレビ局に取っては死活問題であるゆえに、五輪関連番組はアンタッチャブルな絶対的な「商品」となっているのだ。

  そうなると困るのは、大地震や災害や戦争などが起きた場合の緊急報道である。

  とくにNHKは、政府から非常事態宣言などが出され、緊急災害放送を余儀なくされると困ってしまう筆頭であろう。

  というのも、NHKの災害報道(臨時災害報道も含む)は、放送法(第8条など)で定められ、大災害時には報じなければならないものと義務づけられているからだ。

  ということで、仮に、オリンピックの時期でなければ、甲府放送局初のNHKニュースは遊軍などの力も借りて、もっと充実したものになっていただろう。

  報道か、放送か…

 日本のテレビ局がこの命題を突きつけられたときに、どちらを選択して来たか、云わずもがなであるが、筆者の第二の故郷・山梨にとっては哀しいばかりだ。

                                                  上杉隆