2013年11月16日土曜日

 杉浦醫院四方山話―291 『秋のお香教室』

 当館の病院棟の2階は、座学スペースとしてデジタル化された日本住血吸虫関係のDVDを観賞したり、和の学習教室の会場として活用を図っています。改修工事の終わった土蔵にも畳敷きの和室がありますので、参加人数によって、どちらの会場も選択できます。
 
過日、「秋のお香教室」が参加者の都合に合わせて、午前の部と午後の部に分かれて開催されました。       香司の長坂先生が前回も和服でしたから、和服での参加者もあり「和の教室」の雰囲気が満ちていました。今回は、香袋を柱などにさりげなく吊るせるよう紐状の材料をさまざまな方向ににくぐらせて引き締める「結び」までを2時間集中して学びました。              「結び」は、人間が習得した最初の技法と云われ、これによって、物を束ねたり、結び合わせたりすることができるようになり、人間が他の動物と一線を画した力や文化を築く基礎になったと云われています。たとえば,石と木とをつる等ででしばりつけた石槍や銛(もり)で猟を始め、弓矢などの進化した道具へと発展したのも「結び」からで、日本の和結びも100種類以上あるそうですから、奥が深い和文化です。
下の写真は、午前の教室の参加者の作品です。中の「香り」もそれぞれ自分の好みの香りを調合したように香袋のデザインや色も多彩で、「結び」もそれぞれが挑戦した形で決まっていて、個性的な作品に仕上がりました。