2013年5月7日火曜日

杉浦醫院四方山話―235 『むしのむし出来ないむしの話』


当四方山話230話で、寄生虫研究者の方々の「面白さ」について、固有名詞を挙げて紹介しましたが、勝手に大変お世話になってきた永倉貢一博士に言及し忘れましたので、永倉先生の「むしのむし出来ないむしの話」共々ご紹介します。

日本住血吸虫症=地方病については、180話で甲府市在住の小野渉氏が書き記しているウィキペディア地方病(日本住血吸虫症)」の正確な記載内容について報告しましたが、寄生虫、特に日本住血吸虫症=地方病について、詳細を確認する上で欠かせないのが永倉貢一博士の「むしのむし出来ないむしの話」です。永倉博士のプロフィールは、そのサイトで、次のように紹介されています。 
永倉 貢一(ながくら こういち)
 1948年東京生れ。1980年東京医科歯科大学院終了。医学博士。 現,東海大学医学部感染症学部門講師。 専門:原虫学,寄生虫診断学,寄生虫疫学,感染免疫学。「現代の感染症」(岩波新書5131997)など著書・論文多数。
この永倉先生が「むし」さんと称して書いた原稿をブログとして公開しているtocchaさんの先生評が、全てを物語っています。

 「むし」さんとは、ネット上のハンドルです。むしさんには、メーリングリストで知り合いました。 オフ会でお会いしたことがあるのですが、お会いする前には、大学で教鞭をとっているし医学博士の肩書きから、どんな気難しい人が現れるのか身構えていました。 
 ところがその風貌は、私と一つしか違わないのに10歳以上若く感じられビックリ! しかも、話し方まで若いし、知識に裏打ちされた平易な表現がまた面白い。このような人に教えてもらえる学生さんは幸せだな、と感じたものでした。そんな、むしさんの長年の研究の一端を特別寄稿していただきました。 存分にお楽しみください。
  
「むしのむし出来ないむしの話」は、花粉症やダイエット等身近な話から入って、寄生虫特に日本住血吸虫については、県内の関係者や研究者から薬品開発まで、詳細な歴史が楽しく読めるだけでなく、書いている永倉先生の虫に対する優しい眼差しと先生自身の魅力や面白さが伝わってきます。
トップページを飾る医学博士の永倉先生が煙草片手に大笑する写真は、「寄生虫フリーク」の面目躍如と云った感じですし、何より「語ることは偏ることだ」のブログの真髄も集約された写真で、永倉先生のスタンスが表出されています。プリントアウトしての精読をお勧めします。