2012年10月5日金曜日

杉浦醫院四方山話―183 『今年の十五夜シリーズ』

 今年の十五夜は、9月30日(日)で、台風の県内通過と重なりましたが、通過後急速に晴れた夜空の満月は見事でしたね。昨年も9月21日の四方山話―78話『十五夜』で、印傳屋の全面広告を話題にしましたが、著作権の関係でしょうか、今年の作品はネット上では見ることが出来ませんが、山梨広告協会 第40回山梨広告賞のサイトにモノクロ部門で優秀賞に輝いた昨年度の作品がありました。
 3・11から半年後の「15夜」に合わせ、大震災を忘れないメッセージコピーを付けた「15夜シリーズ・印傳屋」の全面広告は、甲府盆地の夜景と満月の合成写真を含め全国発信するにふさわしいセンスで、山梨広告賞も当然でしょう。山梨広告賞の作品は、県内の制作者によるものに限られているそうですから、甲府の夜景の良さも熟知しているから出来る合成写真のように思いました。
 今年の「15夜シリーズ」は、猛暑をやり過ごす日本人の知恵についてのコピーでしたが、合成写真にやや不満が残りました。それは、下駄が置かれた沓脱石の写真が、いま一つコピーの雰囲気を伝えきれていない、沓脱石の撮影場所が良くないのだと感じたからです。県内の制作者ならば、沓脱石の置かれた玄関や座敷の撮影場所として、杉浦医院主屋が浮かばなかったのか・・・こちらのPR不足もあるのでしょうが、杉浦醫院を知らないというカメラマンやプランナーは、是非見学して、活用を図っていただきたいものです。
また、沓脱石に置かれた下駄も写真用に用意した新品の2足で、リアリズムに欠けました。手前味噌になりますが、当ブログ154話『草履・下駄-2』でご紹介したように「もってこいの下駄」もありましたから残念です。
広告文化の批評家として『広告批評』を主宰する天野祐吉は、ウエットに富んだ含蓄あるコラムニストとしてご活躍ですが、最近の話題はテレビコマーシャルが中心で、ここにも紙媒体の衰退を感じていましたが、9月30日付けの新聞がありましたら、今年の15夜シリーズと昨年の作品を比較して紙媒体の良さもお楽しみください。