2012年10月14日日曜日

杉浦醫院四方山話―186 『朱呂竹』

 アピオのロビーで見かけた方もいらっしゃるかと思いますが、杉浦家の母家玄関先に並んでいた朱呂竹が、長い間アピオの館内を飾っていましたが、2鉢戻ってきました。アピオでは、常時室内の観葉植物でしたから、枯れてしまった鉢もあり大きな空鉢も同時に3鉢戻ってきました。
 三郎先生は、この朱呂竹の越冬用に裏に温室小屋を造り、冬の寒さで枯れないよう育て、株分けして多い時は10鉢位が、玄関先に一列に置かれていました。男4人でやっと持てる重さですから、三郎先生亡き後は、管理も大変になりアピオにお任せしたそうです。純子さんを訪ねてきた方も「懐かしい朱呂竹が戻って、昔の玄関を思い出しました」「やっぱり、この竹はここが一番ね」と喜んで話題にしてくれます。
昔のように母屋の玄関先に2鉢並べてと思いましたが、純子さんは「折角ですからお客さまも多い病院の方でお使い下さい」と譲りませんので、それぞれの玄関を一鉢ずつが飾るよう置きました。
「定期的に株分けしないと根の勢いで鉢が割れてしまうこともありました」
「父は、所詮竹だから水さえやっていれば枯れることはないと水をよく掛けていましたが、そのせいで、あの頃は玄関先には大きな蚊が多くてよく刺されましたから、いい思い出ではありませんので、どうぞそちらで」と、純子さんの気遣いは大変奥深いので額面通り受け取っては…と思いつつも自然な感じで落ち着くところに納まるのが常です。
 純子さんの広く温かい交流から杉浦家のコレクションは、アピオに限らず何箇所かに所蔵されていますので、これを機に行き先のリストづくりも必要かなと・・・