2012年8月30日木曜日

杉浦醫院四方山話―173 『グリーン・カーテン』


 前話で紹介したグリーン・アクティブの公式ホームページで、発起人の宮台真司は、≪日本はいまだに民主主義の社会ではない。民主主義を獲得するには政治文化の改革が必要だ。それは以下のような変化である。〈任せて文句たれる社会〉から〈引き受けて考える社会〉へ〈空気に縛られる社会〉 から 〈知識を尊重する社会〉へ≫と述べ、具体的に次のように書いています。
 ≪グリーンアクティブは「グリーン」に関心を寄せる者や集団が誰でも参加できる。「グリーン」について「何が本当のことか」を共有したい者たちの集まりである。これに参加した上で「グリーン」が本当に守るべき価値なのかを判断してもらう。あるいは「グリーン」のためには何が一番大切かという価値を発信してもらう。こうした民度上昇によって、議会は単なる手打ちの場所であり続けられなくなる。社会は〈引き受けて考える〉市民による〈知識を尊重する〉知識社会に変化する。日本が知識社会に生まれ変われば、「グリーン」に限らず日本社会は合理性を取り戻す。官界や財界の既得権益のせいで「一億総ゆでがえる」状態となるのを抑止できるだろう≫と。
 
「緑のカーテン」は、災害被災地でも昭和町でも全国至るところで、「節電」に呼応するかのように推進されてきましたから、これを否定する「空気」はなく、むしろ「緑のカーテン推進の空気に縛られた社会」と云った様相も呈しています。宮台氏はこういう現状を民主主義の社会ではないと看破して、「グリーン」について「何が本当のことか」を共有したい者が集まって「グリーン」が本当に守るべき価値なのかを判断しようと呼びかけています。
 当館でも「空気にのって」ご覧のように南西向きの建物に「緑のカーテン」を試みました。苗の種類にもよるのでしょうが、日除けや断熱効果には「よしず」の方が効果ありでした。「緑」一つとっても「空気」にのったり流されたりで、本当のところは曖昧といった事例は、「地球温暖化防止」の空気で縛って進められたダイオキシン対策等々数知れません。結果「KY」などという隠語と空気が蔓延し、子どもから大人までキョロキョロして空気ばかり読むことに腐心する甲州弁で云う「やたかしい」人間が大手を振る「だっちもねえ」社会状況になっているのでしょうか?宮台センセイ!