2011年10月27日木曜日

杉浦醫院四方山話―87 『ボランティア』

 昨日、昭和町商工会女性部の役員の方々が、杉浦医院建物の清掃ボランティアに事務局職員共々15名で来て下さいました。3,4人一組のグループに分かれ、一気に館内のガラス窓から柱や鴨居、家具、照明器具までみるみる拭きあげ、後日に予定していた2階まで、内外から磨いていただきました。積年の埃や煤で、持参いただいた雑巾も直ぐ真っ黒になりましたが、約1時間後には、見違える程きれいになり、館内の空気も一変した感じです。「数は力」と云いますが、一人一人の力がゼロなら、何人集まってもゼロでしかありませんが、今回のメンバーは、お一人お一人が物凄いパワーと情熱を持っている方々であることを作業成果と時間が、証明してくれました。危険な高所作業も厭わず、黙々と気持よく活動いただいた皆様、誠にありがとうございました。
 プレオープン後、近くにお住まいのS氏は、庭園の清掃に朝早くから来て、柿の木の消毒までもやっていただいて、一年になります。地元西条新田区の区長さんからも「役員で落ち葉の清掃に行きますから、必要だったら声をかけてください」と心配いただいてきました。また、高校生、中学生のZ姉妹は、純子さんに学校の話題を定期的に話に来て、「今の学校は、昔と違って、驚くことばかりです。若い方の話を聞くと時代の変化が分かって、面白くて勉強になります」と純子さんも心待ちの様子です。もうひと方、竜王のS氏は「気分を害さないでください。私の趣味ですから・・」と開館早々、道具一式を持参して、トイレの便器を真っ白にして下さいました。「これを使えば面白いくらい取れるんです」と秘密兵器と使い方まで伝授してくださいました。そのS氏は、3・11以後、既に10数回岩手と山梨を往復して、復興ボランティアを継続しています。「行けばやることはいくらでもあることが分かっているので、用事を済ませたら、戻らなければ・・と、じっとしていられない」と云います。この活動を通して、彼が考えたことや伝えたいことを「OTOUのブログ」で、発信してくれています。本当の情報と共にS氏の人柄と思考の深さ、視点の確かさが率直な文章に醸しだされ、毎朝のチェックが欠かせません。「がんばろう日本」だの「東北の被災地に向けて・・」と云った空虚な「言葉」が、日本中に氾濫している現在、自分自身を現場に置いて、黙して奮闘している方々の実践と言葉の重みは、そのまま人間が生きるということの価値と品格を教えてくれているようで、恥じ入るばかりです。